運行までの2年の歩み
行政への要望から、地域自らNPO法人を組織し「交通空白地有償運送(当時:過疎地有償運送)」を始めるまでの全記録です。少々長いですが、参考になると思います。
お聞きになりたいことがありましたら、「お問い合わせ」をご利用ください。
H18.10.26 御熊・内海中区長が鳥取市役所交通対策室訪問。高齢者のためのバス運行 を要望。
●市:「バス事業では、採算面から不可能。地域でNPO法人による過疎地有償運送を検討していただきたい。その前段としてニーズ調査を実施するので、協力をお願いしたい」との回答。
H18. 12. 6 御熊、内海中、白兎区長に、公共交通利用ニーズ調査票送付される。
H19.2.22 御熊地区で、公共交通に係る座談会を開催。
H19.3.16 内海中地区で、公共交通の可能性について勉強会を開催。
●市:ニーズ調査結果を報告し、過疎地有償運送の有効性について説明。
H19.6 大郷地区小林会長から、「御熊・内海中地区で公共交通について勉強されたと聞いている。大郷地区もバス停まで2キロ以上あり不便だ。勉強会をしたいので来てもらえないか。」と依頼。
●市:「御熊・内海中地区でも過疎地有償運送の可能性について勉強会を始めたところ。3地区合同で改めて勉強会を開催してはどうか」と提案。会長了承。
H19.8.7 大郷地区も加わり内海中・御熊地区と合同で第1回 大郷・御熊・内海中地区過疎地有償運送 勉強会(以下「勉強会」と称する。)を開催。(大郷会館)
●まず、各地区で公共交通アンケートを実施することとした。
H19.8.25 第2回勉強会を開催。
●アンケート内容について協議した。
●継続して取り組めるように、出席者を区長の「あて職」としないで、固定することを確認した。
H19.9.3 各区長宛てアンケート用紙配布。(アンケート期限10月31日)
H19.10.26 各区長宛てアンケート集計依頼。(集計期限11月22日)
H20.1.19 第3回勉強会を開催。
●アンケート集計結果の報告。
★漠然としたニーズはあるようだが、実際利用するか不明だった。
●さらに具体的に外出傾向を把握するため、1週間の外出調査を実施することとする。
★アンケートで気を付けなければいけないことは、実際利用しなくても「利用する」と回答する事例が多く見られたことです。
☆「誰が、いつどこへ何しに行くのか」 ピンポイントでの把握が重要です。
H20.1.29 各区長宛て調査用紙配布。(調査期限2月29日)
H20.4.19 第4回勉強会を開催。
●市:外出調査結果を受け、市から過疎地有償運送が有効と報告。
★「大郷・御熊・内海中地区有償運送協議会」(以下「協議会」と称する。)を立ち上げて実施に向け検討することとなった。
末恒地区:内海中、御熊地区
大郷地区:金沢、福井、大畑、 堤見 、辛川地区
会 長:内海中 佐々木 昌彦
副会長:金 沢 上根 邦十郎
副会長:御 熊 山田 栄
H20.5.9 倉吉市高城地区の過疎地有償運送を視察。(15名参加)
高城地区(NPO法人たかしろ)の取組みが後に大きな影響を与えた。
①運賃以外の収入確保策(高城地区は、県の施設を管理委託している。)
②運転手は全員ボランティア。
●実際に運行している人の生の声を聞くことは大いに参考となる。
●佐々木会長、「NPO法人を立ち上げる」と発表!
H20.5.31 第1回協議会開催。
●視察の結果、実験運行に向けて協議することを決定。
H20.6.24 第2回協議会開催。
●実験運行内容について協議。運行期間8.20~9.19とする。
●次回までに、車両と運転手を確保する。
H20.6.28 御熊地区で過疎地有償運送の取組みを説明し、住民の理解を得た。
H20.7.11 第3回協議会開催。
●ユタカ自動車から車両2台確保(貸与)したが、購入金額を再度調整することを確認。
●運転手を大郷地区でも募集することとした。
●実験運行で白兎公民館停留所を追加する。
●次回は、NPO法人設立を協議する。
H20.7.26 堤見地区で過疎地有償運送の取組みを説明し、住民の理解を得た。
H20.8.6 第4回協議会開催。
●車両2台を確保。(17日に納車)
●運転手説明会を当日開催し、合わせてNPO法人設立総会を開催することとした。
H20.8.12 大郷・御熊・内海中地区有償運送協議会役員会開催。
●実験運行運転手説明会、NPO法人設立総会に向けて打ち合せ。
市がルート・ダイヤ案を示し、協議会で練った。アンケート調査により外出の多い曜日を決めた。実験運行は、運賃無料で運行。実験することで、実際の利用者の意見を聞くことができ、本運行でのダイヤ作成に役立ちます。
ここでの課題
運行する車両と運転手です。OMUでは車両を佐々木会長が中古車販売店と交渉し、本格運行後購入を前提に借りました。運転手は役員が個別交渉されたり、地区公民館に募集をかけました。
H20.8.17 NPO法人設立総会開催。あわせて実験運行運転手説明会を開催。
●運転手大郷8名、末恒13名確保。(うち2名予備)交替で運転。
●法人名を「特定非営利活動法人OMU」とした。
●定款、事業計画、予算案等を審議し承認を得た。
H20.8.20 大郷、末恒2ルートで第1次実験運行開始。(~9.19まで運行)
県東部総合事務所県民課へNPO法人設立申請書を提出。
H20.10.2 第5回協議会開催。
●NPO法人認定後の事務分掌、会費について協議。役員会で再度案を協議することとなった。
H20.10.10 末恒地区で第1次実験運行後の聞き取り調査実施。
H20.10.20 イナバ自動車学校で過疎地有償運送運転者講習会に5名参加。
H20.10.22 協議会役員会開催。
●正会員の範囲、会費(案)について協議した。
H20.10.24 過疎地有償運送運転者講習会に4名参加。(イナバ自動車学校)
H20.10.27 鳥取県東部総合事務所県民課からNPO法人認定の報告。
H20.10.28 第6回協議会開催。
●正会員の範囲、会費について協議。
●2回目の実験運行を11/25~12/15とする。
H20.11.7 鳥取地方法務局から登記完了の報告。
H20.11.18 第7回協議会開催
●第2次実験運行のルート、運行日を協議。末恒ルートは、医療センターまで延長し、1日3便とする。運行日を火・木・金とする。大郷ルートは前回と同様とする。
H20.11.25 末恒地区で第2次実験運行開始(~12.16まで運行)
H20.11.26 大郷地区で第2次実験運行開始(~12.15まで運行)
H20.12.18 第8回協議会開催
●本格運行に向けて運賃を1回200円、小学生100円とする。
●ルートは、第2次実験運行時のルートとする。便数は、大郷・末恒とも週3日で1日3便とする。
H20.12.24 平成20年度第3回鳥取市生活交通会議にて、OMUの過疎地有償運送が承認される。
H20.12.26 鳥取運輸支局へ過疎地有償運送申請書提出。
H21.1.20 鳥取運輸支局から過疎地有償運送登録証交付(中鳥過第3号)
H21.1.23 平成20年度第1回理事会(兼第9回協議会)を開催。
●臨時総会に向けた協議を行う。
H21.1.27 平成20年度臨時総会を開催。
●2月9日から本格運行することを正式に決定。
H21.2.9 本格運行開始式鳥取市長・鳥取県交通政策課長出席
●大郷コース第1便出発
本格運行までに、いろいろな企業・行政機関にお世話になった。
●車両の貸与
実験運行に当たって車両の確保が課題だったが、中古車販売店(ユタカ自動車)の好意で、本格運行の際「購入する」ことを条件に、無償で貸与してもらった。
●運転手講習会
これまで、鳥取県内では過疎地有償運送の運転者講習会ができなかった。地元の「イナバ自動車学校」に出向き講習認定校の依頼をした。快諾していただいた。
●NPO法人設立申請
鳥取県東部総合事務所県民局県民課(当時)には、定款や設立申請書の作成方法について、懇切丁寧に指導していただいた。
当時市に要望された「内海中」の区長が当法人の初代理事長。要望を受けた当時の市の「交通政策室」長が現理事長です。